目次
- この記事の対象者
予防医療の大切さを知り、健診や相談のモチベーション作りに繋げたいと考える方。
- この記事でわかる事
今までに死を防げた事例やその背景にある活動
記事の読了時間目安:5分
意思決定支援の重要性
- 大腸癌を早期発見できた事例
40代の男性。便を採取し検査した所、血が混じっていたが、本人はたまに痔になるという。肥満はなく野菜もよくとるが、IT系で運動量が少なくアルコールが趣味である生活習慣が背景にあった。一般的に、1日500ml以上のビールを飲むと直腸がんのリスクが3倍になる*1ことが分かっています。また、大腸内視鏡検査は大腸がんの10年後のリスクを18%低下させる*2事も証明しれています。これらを根拠としてドクターに勧められ、初の大腸カメラを行い、早期発見、早期治療へ。パーソナルドクターがいなければ1年様子見してしまっていたとのこと。まさにコーチング(意思決定支援)で早期発見できた事例。
健診をパーソナライズする重要性
- 人間ドックで見逃されていた甲状腺癌を発見できた事例
甲状腺の疾患の既往歴がある40代男性。1,2年前に数十万円の人間ドックを実施していた。値段の高い検査によって、甲状腺に癌細胞に集まるマーカーの集積が見られていたが、「過去に甲状腺からホルモンが多く出る病気になっていたので大丈夫」と放置されていた。ウェルネスにて、甲状腺炎症歴があることからオプションで甲状腺エコーを追加し、悪性の可能性があると判断し、甲状腺の組織を詳しく調べたところ、甲状腺乳頭がんの診断となり、全身麻酔下で切除の方向となった。「高い検査を受けていれば大丈夫」という神話を打ち砕く事例で、実際甲状腺がんの発見はエコー検査が有用というエビデンスもあり、最新のファクトに基づいて、その人に合った検査項目を選ぶことの大切さを物語る事例。
健診結果を慎重に読み解く重要性
- 健診で経過観察となっていたが膵臓癌が隠れていた事例
肝臓から胆汁を運ぶ道の障害を表す値が、過去と比べると徐々に上がっていた。大した値でなく健康診断でもC判定(経過観察)になっていたが、酒もサプリも飲まないのに変なので念のためと精査を推奨したら、初期の膵臓がんであった。健診の判定だけに頼らず、データをちゃんと読み解くことが大切。
日々の違和感を放置しない
- 首を痛めたと思い放置していたが、椎骨動脈解離が隠れていたケース
- 放置されがちな体重増加・体重減少。実は深刻な病気が隠れている事も多い。
整体・カイロで首を動かした後に右側の首を痛めたという30代男性。整形外科に聞いて、『様子見てね』となったが、痛くて吐き気も出てきたと心配で相談。心臓から首を通って脳に向かう太い重要な血管が破けていると判明。
自覚症状が食べる量がそんな変わってないのに体重計乗ったら5kg増えてた&疲れやすいというケース。結果は腎臓に炎症が起こり、尿の産生機能が低下し、体内に水がたまっている状態だった。管理が必要なレベルまで進行していた。
まとめ
ウェルネスでは、防ぎ得た後悔をこの世から無くす為、迅速で丁寧な対応に尽力しています。
おかしいと思った時にとりあえず相談してみる、勧められた検査を受けてみる、そんな行動が後の後悔を防ぐかもしれません。
参考文献
*1 Earl S. Pollack NEJM 1984 Prospective Study of Alcohol Consumption and Cancer
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejm198403083101003
*2 • Michael Bretthauer NEJM 2022 Effect of Colonoscopy Screening on Risks of Colorectal Cancer and Related Death